垂盆草とウコン、田七の比較実験資料

垂盆草・田七・ウコンの肝臓内のトランスアミナーゼに対する薬理比較の総括

胡軍 中国薬科大学

【摘要】
本文は田七ウコン垂盆草エキスのCCL4(四塩化炭素)起因によるラット急性肝臓損傷に対する保護作用の実験を行い比較したものである。結果は、田七には服用量が多く、治療効果が極めて緩慢であるなどの欠点がある。ウコンは少量服用すると酵素低下作用があるが、多量服用するとかえって酵素が上昇する傾向にある。一方、垂盆草はCCL4起因によるラット急性肝臓損傷に対して顕著な保護作用があり、かつ血清中のALTASTレベルを低下させ、病理組織学研究においても顕著な改善作用が見られたのである。

【総体的な実験原則】
SGPT法を採用する。ラット・マウスを被検対象物とし、蒸留水を服用するものを正常対照グループとする。またCCL4起因による急性肝臓損傷しているものをモデルグループとして、各薬剤をそれぞれ異なる薬剤量を与えて実験を行う。さらにそれぞれ異なる段階でサンプリングを行い、ALT・AST値を測定する。

【田七による実験】

  1. 実験方法(*1)
    雄性Wisterラット40匹(体重180-200g)を取り、ランダムに5つのグループに分ける<3タイプの服薬グループ:1.25g/kg、3.75g/kg及び7.50g/kg(それぞれヒトに推奨されている薬剤量の5倍、10倍、15倍に相当する)、及び肝臓損傷モデル対照グループ、陰性対照グループ(蒸留水を服用)、1グループにつき8匹>。2%(V/W)体積に基づいてそれぞれのグループに田七及び蒸留水を服用させる(毎日1回、連続して30日間の服用)。また、陰性対照グループ以外には、実験開始から30日経過まで隔日夜16時間ほど食事を禁止して、2% CCL4(植物油で精製)を5ml/kg服用させ、4時間経過後に指定した内容物(田七、蒸留水)を服用する。CCL4を服用してから48時間後にマウスの静脈を切断して致死させ、採血を行った後に血清を分離して、ALT・AST値を測定する。
  2. 結果

表1:田七粉末の化学的肝臓損傷ラットに関する血清生化学検査結果(X±S)

グループ別

動物数(匹)

ALT(IU/L)

AST(IU/L)

陰性対照グループ(蒸留水)

8

10.0±4.15

47.9±13.5

モデル対照グループ(CCL

8

240±128.6*

428±229.5*

田七グループ(1.25g/kg.bw)

8

170.9±156.6*

303.2±249.3*

田七グループ(3.75g/kg.bw)

8

275.7±218.8*

501.0±345.4*

田七グループ(7.50g/kg.bw)

8

84.1±48.5*

261.0±327.4

*表示は陰性対照グループと比較 P<0.01

【ウコンによる実験】

  1. 実験方法(*2)
    雄性Wisterラット(体重200±50g)をランダムにグループ分けして、CCL4高脂肪・低蛋白の複合的な起因によるラットの軽度な慢性肝臓損傷モデルを採用する。実験第1日目にCCL4を0.5ml/100g皮下注射して、その後は3-4日毎に、40%落花生油溶液を0.3ml/100gずつ連続3週間皮下注射を行う。また、正常対照グループには蒸留水を服用させる。さらにモデルグループはランダムにグループ分けを行い(0.324g/100g、0.081g/100gウコン抽出液)服用させる(毎日1回、連続で30日間)。その後断頭致死させて採血を行い、ALTなどの値を測定する。
  2. 結果

表2:ウコンの化学的肝臓損傷ラットに対するALT・ヘムアルブミン含有量測定結果(X±S)

グループ別

動物数(匹)

ALT(IU/L)

ヘムアルブミン(g/dl)

陰性対照グループ(蒸留水)

12

60.08±18.41

3.68±0.61

モデル対照グループ(CCL

12

77.34±19.74*

2.61±0.43*

ウコングループ(0.81g/kg.bw)

11

65.00±22.60**

3.46±0.58**

ウコングループ(3.24g/kg.bw)

9

87.15±23.35

2.65±0.37

*表示は陰性対照グループと比較 P<0.01
**表示はモデル対照グループと比較 P<0.05

【垂盆草による実験】

  1. 実験方法(*3):昆明種マウス72匹をランダムに6グループ(正常対照グループ、肝臓損傷グループ、Bifendate Pills40mg/kgグループ、垂盆草エキス1404mg/kg、468mg/kg、156mg/kgグループ)に分ける。0.2ml/10gに基づいて毎日1回、連続して15日間服薬させる。さらに第14日目の服薬から1時間経過後に、正常対照グループ以外は、CCL4油溶液(0.3%)10ml/kgを皮下注射する。服薬から20時間経過後に眼球を摘出し採血してからALT・AST値を測定する。また、各グループの測定値はX±Sで表示し、統計学処理はt検査を採用するものとする。
  2. 結果

表3:垂盆草の化学的肝臓損傷ラットに対するALT・AST検査結果(X±S)

グループ別

動物数(匹)

ALT(IU/L)

AST(IU/L)

陰性対照グループ(蒸留水)

12

28.9±3.59

46.8±4.84

モデル対照グループ(CCL

12

174.8±13.4*

166.7±19.4*

垂盆草グループ(0.156g/kg.bw)

12

158.2±6.78**

139.9±28.8

垂盆草グループ(0.468g/kg.bw)

12

143.5±8.92***

129.8±13.7***

垂盆草グループ(1.404g/kg.bw)

12

132.7±15.8*

119.8±19.4***

*表示は陰性対照グループと比較 P<0.01
**表示はモデル対照グループと比較 P<0.05
***表示はモデル対照グループと比較 P<0.01

【実験結果分析と討論】

  1. 3種類の漢方薬は全てCCL起因の肝臓損傷を軽減させ、トランスアミナーゼの活力をも低下させる。
  2. 田七高薬剤量グループ(7.50g/kg)は肝臓損傷モデルグループと比較したところ、ALT値が顕著に低下した(P<0.05)。但し、田七には服用量が多い、効果が緩慢であるという欠点がある。
  3. ウコン低薬剤量(0.81g/kg)とモデルグループを比較したところ大きな差異が見られた(P<0.05)。但し、高薬剤量(3.24g/kg)ではALT値が上昇傾向にあり、且つ、ヘムアルブミンに対しても顕著な効果は見られなかった。
  4. 垂盆草エキス高薬剤量468mg/kg、1404mg/kgはそれぞれCCL起因による肝臓損傷マウスのALT・AST値を明らかに低下させた(P<0.01)。また垂盆草エキス低薬剤量156mg/kgにおいても、CCL起因による肝臓損傷マウスのALT値を明らかに低下させた(P<0.05)。但し、AST値に対しては低下作用が見られなかった。その他に、病理学研究によると、垂盆草エキスはCCL起因によるマウス肝細胞水様変性や肝細胞炎症性浸潤を改善させ、顕著な保護作用が見られた。

参考文献
(*1)忱惠云等,『新云三七对化学性肝损伤保护作用功能评价』,现代预防医学,2002;29(4);487-7489
(*2)刘杰、陈斌,『不同程度的活血化瘀对CCL慢肝模型的治疗作用』,中成药,1999;21 (8);422-424
(*3)张岫美等,『垂盆草对四氯化碳致小鼠急性肝损伤保护作用』山东大学医学院药理学研究所

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