お手元の血液検査の結果表をご覧ください。
ずらっと数字が並んでいますが、確認していただきたいのは肝臓関連の数値です。血液検査をしたことのある方なら、一度や二度はAST(もしくはGOT)、ALT(もしくはGPT)などという言葉を聞いたことがあるでしょう。どちらも肝臓の中にある酵素で、肝臓が「化学工場」として働く際に、触媒として活躍する物質です。
肝臓は脳や心臓と違って再生のきく臓器で、常に旺盛な新陳代謝を行っているので、通常も少量のAST(GOT)やALT(GPT)は血中に流れ込んでいます。
正常値はAST(GOT)が8~40[IU/L]、ALT(GPT)は5~35[IU/L]、γ-GTPは男性50[IU/L]以下・女性30[IU/L]以下の範囲内です(※血液検査をする検査機関によって、正常値の範囲が若干異なる場合があります)。
これらが正常値を超えて高い値のときは何らかの肝障害の可能性が疑われ、追加の血液検査をしたり、エコー検査をしたりして、診断を確定していくことになります。これらの検査でも診断がはっきりしない時はCTで調べたり、あるいは肝組織の病理検査(肝生検)を実施することもあります。
例えば、脂肪肝の場合はAST(GOT)とALT(GPT)が正常値を少し超えた軽度の異常であることが多く、ALT(GPT)値がAST(GOT)値よりやや高くなります。また、ウイルス性肝炎の場合は、AST(GOT)値やALT(GPT)値の変動幅が大きく、すぐ見分けがつきます。
くわしく見ていきましょう。
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