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ウコン

ウコンは、インド原産の亜熱帯植物で、ショウガ科クルクマ属の多年草です。春から夏にかけて成長し、秋には美しい白色の花を咲かせます。薬用に用いられるのは主として根茎の部分。伝承医学の分野では古くから優れた薬効が認められ、特に沖縄では琉球王朝の時代から肝臓の解毒作用を高める強肝薬や健胃薬として珍重されてきました。

さまざまな現代病や、糖尿病など生活習慣病の予防にも効果があることが解明されてきているのは、ストレスの多い社会に生きているからこそ、有史以来人々が体験的に求めてきた癒しの力が現代科学によって認められたものと言えるのかもしれません。南国の太陽と肥沃な土壌が育んだ大自然のパワーが自然治癒力を高めて、体質そのものを改善しながら病気に立ち向かう。ウコンは抗酸作用と解毒作用の画面から、わたしたちの健康を守ってくれます。

  • 強肝作用…肝汁の分泌を促し、肝臓の働きを助けて有害物質を排出。肝臓機能障害の予防と治療に効果を発揮する
  • 抗酸化作用…ビタミンEなどに匹敵する強力な抗酸化作用で免疫力を高める
  • 活性酸素除去…お酒やタバコの害、ストレス、紫外線や大気汚染などが原因で発生する活性酸素を除去し、さまざまな病気を予防する
  • 健胃作用…胃の働きを整え、胃炎や十二指腸潰瘍を改善する
  • 血液の浄化…血液中のコレステロールや中性脂肪を溶かして血行を促進。血管壁を強くして、動脈硬化や心筋梗塞を予防する。またインスリン抵抗性を改善して、糖尿病の発症や進行を抑える
  • 抗菌・抗炎症作用…カラダの抵抗力を強くして、病気感染を防ぐ
  • 肥満防止…脂肪分解酵素の働きを高め、中性脂肪の沈着を防いで肥満を防止する
  • 美肌作用…シミ・シワを防ぎ、カラダの中から健やかな美肌をつくる

ウコンの幅広い薬理作用の中でも、これまで注目されてきたのがガンに対する効果でした。その火付け役となったのは、1991年アメリカで行われた皮膚ガンの動物実験で、ニュージャージー州ラトガース大学の研究グループが発ガン物質を塗ったマウスの皮膚にウコンの黄色い色素成分クルクミンを塗布したところ、ガンの発生が大幅に抑えられたと発表したのです。ところが、このガンに対する効果に異を唱える学説も出てきています。というのも、ガンに対して効果が働くのと同時に、ガンを抑える仕組み自体も阻害されているというものです。頑張ってもらわなければいけない機能も抑えこんでしまうとあって、以来、世界各国の研究機関がウコンを使って研究を重ねていますが、いまだ解明しきれていないのが実情です。

しかも、もう一つ重要な注意点があります。C型肝炎NASHなどの場合、ウコンを取ることで鉄過剰になってしまい、よかれと思って摂取していたのにかえって炎症を促進させることがあります。ウコンが肝臓にいい!という受け売りで安易に手を出すのは、もともと鉄過剰の肝炎患者にはとても危険です。重篤な症状に陥った例も少なくありません。

肝臓に問題のない人が肝機能を高めるためにウコンを摂るのは、よいかもしれません。テレビCMもそれが前提だと思います。だからこそ、それでもウコンを摂る際には、どのくらい鉄分を含んでいるかよく確認し、確認ができないものには決して手を出さないのがベストだといえます。

垂盆草とウコン、田七の比較実験資料

垂盆草・田七・ウコンの肝臓内のトランスアミナーゼに対する薬理比較の総括

胡軍 中国薬科大学

【摘要】
本文は田七ウコン垂盆草エキスのCCL4(四塩化炭素)起因によるラット急性肝臓損傷に対する保護作用の実験を行い比較したものである。結果は、田七には服用量が多く、治療効果が極めて緩慢であるなどの欠点がある。ウコンは少量服用すると酵素低下作用があるが、多量服用するとかえって酵素が上昇する傾向にある。一方、垂盆草はCCL4起因によるラット急性肝臓損傷に対して顕著な保護作用があり、かつ血清中のALTASTレベルを低下させ、病理組織学研究においても顕著な改善作用が見られたのである。

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垂盆草とウコン・田七との比較

日本でよく知られている肝臓に良い食品にはウコン田七などがあります。ウコンのクルクミン、田七のサポニンが有効成分となって肝臓に胆汁排泄促進作用や血流改善作用などを促すと言われています。しかし、最新の研究結果により、ALT(GPT)低下作用に関しては垂盆草のほうがウコンや田七よりも高いことがわかりました。

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