アシクロビルと垂盆草によってB型肝炎を治療した時の比較

アシクロビル(Aciclovir)と垂盆草によってB型肝炎を治療した時の比較

楊金龍 匡雲山 栄雅秋 呂萍 鄭水根(上海市第八人民医院伝染科.上海200233)

  • 摘要
    アシクロビル(Aciclovir)を静脈注射(750mg、qd、合計1mo)して慢性B型肝炎患者31例(男性21例、女性10例、年齢33±6a)を治療した。その他20例(男性18例、女性2例、年齢35±7a)には垂盆草沖服剤を服用(10g、tid、合計1mo)させることにより対照とした。
  • 結果
    HBeAg陰性転化率…前者は45%、後者は0%である(P<0.01)。ALT回復率…前者は79%、後者は70%である(P>0.05)。
  • キーワード
    アシクロビル(Aciclovir)、B型肝炎、垂盆草、ALT、B型肝炎℮抗原

B型肝炎ウイルス(HBV)が持続して複製することは肝臓損傷の始まる要素である。中国では、HBVの形成、発展が慢性活動性肝炎、肝硬変、原発性肝臓癌の主要な原因であるとされている。抗ウイルス治療は肝炎症状の発展を抑制し、伝染性を減少させることに基づいている。Hantz等1)はアシクロビルがリン酸化して最終的に形成する三リン酸アシクロビルが人類のHBVに対して抑制効果があることを証明した。その作用のメカニズムについてはアシクロビルが基質としてウイルスDNAと結合して活動する。模板上において、アシクロビルが3’-HO基でないことから、この模板は伸張を中止させることにより、ウイルスの複製に抑制を与える。我々は1992年11月から1993年10月に中国産のアシクロビル(湖北省潜江製薬場生産)を採用して慢性B型肝炎患者31例を治療し、併せて垂盆草(Sedum sarmentosum Bunge)沖服剤を使用して20例(対照グループ)を治療して治療効果の比較分析を行った。

【材料と方法】

  • 病例選択
    全ての病例は入院患者で、1990年第6回全国ウイルス性肝炎学術会議で制定された規準2)に基づいて確定診断された。アシクロビル治療グループは合計で31例(男性21例、女性10例;年齢33±s6a)で、慢性遅延性肝炎21例、慢性活動性肝炎10例である。垂盆草沖服剤対照グループは合計で20例(男性18例、女性2例;年齢35±7a)で、慢性遅延性肝炎13例、慢性活動性肝炎7例である。2つのグループの治療前のHBsAg、HBeAg、抗HBcは概ね陽性である。
  • 治療方法
    ■治療グループ…アシクロビル(Aciclovir)750mg(250mg/個含有)を復方塩化ナトリウム500mg中に加えて静脈注射を行う。qd、合計1moである。
    ■対照グループ…垂盆草沖服剤10g、po, tid、合計1moである。
  • 治療効果判断
    ■有効…主な症状は消失し、ALT値は正常値に回復する。またHBeAgが陰性に転化する。
    ■無効…上述した基準に達しない。

【結果】

2つのグループの治療前後の症状、徴候とALT値の変化比較
表1を参照。治療後、アシクロビル治療グループでは脱力感、食欲不振、腹部の腫れ、肝域の痛み、肝腫大が改善し、ALT値の異常な患者に対しての総有効率はそれぞれ94%、95%、80%、100%、7%、79%である。垂盆草グループの総有効率はそれぞれ89%、100%、93%、100%、6%、70%である。X2検査を通して、2つのグループの差異には特に顕著な意義は見られなかった(P>0.05)。

表1:2つのグループの治療前後の症状、徴候及びALT値の変化に関する比較(例)

項目

アシクロビルグループ

垂盆草グループ

治療前

治療後

治療前

治療後

脱力感

18

1

19

2

食欲不振

19

1

20

0

腹部の腫れ

10

2

15

1

肝域の痛み

5

0

14

0

肝腫大

29

27

18

17

ALT値の異常

28

6

20

6

2つのグループ間ではX2検査を使用、P>0.05。

2つのグループの治療前後HBVマーカーの変化比較
表2を参照。治療前後において同一の方法(ELISA法)と同一の試剤(上海市伝染病医院からの供給)を採用する。治療後のアシクロビルグループHBsAg、HBeAg、抗-HBcの陰性転化率はそれぞれ19%、45%、0%となった。また、抗-HBsと抗-HBeの陽性転化率は0%であった。X2検査を通して、2つのグループのHBeAg 1項目陰性転化例数を比較したところ非常に顕著な意義があった(P<0.01)。しかし、その他の項目に関しては特に顕著な意義は見られなかった(P>0.05)。

表2:2つのグループの治療前後HBVマーカーの変化に関する比較(例)

アシクロビルグループ

垂盆草グループ

治療前

治療後

治療前

治療後

陽性

陰性

陽性

陰性

不変

陽性

陰性

陽性

陰性

不変

HBsAg

31

6*

25

20

0

20

抗HBs

31

0*

31

20

0

20

HBeAg

31

14***

17

20

0

20

抗HBe

31

0*

31

20

0

20

抗HBc

31

0*

31

20

0

20

X2検査を通して2つのグループを比較、***P<0.01、*P>0.05。

【不良反応】

アシクロビルを静脈注射した後に3例ほど頭部の眩み、食欲不振、腹部の腫れが発生し、3-4日間持続した後に自然に消失する。また、静脈炎、血液系統及び腎機能の変化は見られなかった。HBV複製を抑制する作用があり、ALT値を低下させるのに対して一定の治療効果があり、その他の貴重な抗HBV薬物と比較しても、治療効果が的確で、価格が廉価で、不良反応が軽いという優れた点がある。当グループの資料は3moまたはさらに長い時間の長期的診断が欠乏している。垂盆草は伝染性肝炎を治療し、さらに研究を通して単独で使用する当品の急性黄疸型肝炎及び無黄疸型肝炎に対して治療効果があり、血清中のALT値を低下させるのに対しても短期的な治療効果がある3)。但し現在ではウイルスを抑制する作用が未だ発見されておらず、HBVを抑制する治療効果に関してはアシクロビルも推測の範疇を出ていない。

参考文献
1)Hantz O, Allaudeen HS, Ooka T. Dc Clereq E. Trepo C. Antiviral Rcs 1984: 4:187-99.
2)Anon. 中華伝染病雑誌 1991;9;52-60.
3)凌一揆,闖正華,中葯学. 第1版. 上海;上海科技出版社. 1984;55-6.

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