中薬脂質低下合成剤による脂肪肝治療の臨床研究

中薬脂質低下合成剤による脂肪肝治療の臨床研究

  • 作者:孫勇莉

[摘要]

  • 目的
    脂肪肝に対する脂質低下合成剤の臨床効果を探る。
  • 方法
    肝機能低下、高度の肥満、血流悪化が見られる脂肪肝患者120例を選び、2組に分ける。治療組70例は脂質低下合成剤を経口し、対照組50例には多稀康こう丸を服用してもらった。治療後の二組の総合有効率、肝機能及び血液中の資質の変化について観察した。
  • 結果
    治療経過後、治療組の総合有効率は対照組より優れ(P<0.05);患者のALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPが平均して明らかに低下し、対照組より優れていた(P<0.05或いは0.01);総コレステロール(TC)、中性脂肪(TG)及びLDLコレステロール共に治療前に比べて明らかに低下し(P<0.05或いは0.01)、その中でもTGは対照組と比較して差異が顕著だった(P<0.05)。
  • 結論
    脂質低下合成剤による脂肪肝の治療効果は顕著であり、明らかに肝機能を改善させ、血中の脂質を低下させた。

脂質低下合成剤は炒白樹、焦山査、紫決明子丹参、生大黄、垂盆草等10種類の中薬で組成されている。肝機能の向上、肥満の解消、血流の促進効果を持つ。長年の臨床や薬効学実験の結果、脂質低下合成剤は脂肪肝に対して明らかな改善作用が見られ、且つ程度が違う高脂血症脂肪肝のラットの血清と肝臓中の総コレステロールと中性脂肪の含有量を低下させることができた。さらに一歩進んで本薬品の有効性を客観的に評価するため、我々は2001年1月~2002年12月の間、「中薬新薬の臨床研究指導原則」と肝臓病学における脂肪肝の診断基準[1]を基に折を見て、対照臨床試験方法を並行して行った。肝機能低下、高度の肥満、血流悪化が見られる脂肪肝患者120例(治療組70例、対照組50例)に対する脂質低下合成剤の治療を観察した。結果報告は以下の通りである。

1 臨床資料

1.1 病例の選択

脂肪肝の診断基準と中医症例に符合し、ウイルス性肝炎、薬物性及び免疫性肝臓病、年齢が18歳以下または65歳以上の患者、妊娠または授乳期の女性、ウイルス性肝炎、薬物性及び免疫性肝炎と肝硬変、肝臓ガン等重症の肝臓病患者は除く。全病例120例は折を見て治療組、対照組に分けた。治療組は70例あり、その内男性が47例、女性が23例いた。対照組は50例いて、その内男性が34例、女性が16例いた;治療組の年齢は32~65歳、平均年齢は48.4歳である;対照組の年齢は31~64歳、平均年齢は48.2歳である;治療組の病気経過は4.5ヶ月~12年、平均5.9年である;対照組の病気経過は5ヶ月~11年、平均5.5年である。二組間の性別、年齢、病状と病気経過は比較統計学処理上、差異が均しくP>0.05より顕著でないようにした。

1.2 診断基準と中医の論証

  1. 病気をメインに病証結合の方法を≪中薬新薬の脂肪肝治療の臨床研究指導原則≫(国家中医薬管理局)と肝臓病学における脂肪肝の診断基準を基に、全ての患者は以下の診断基準に符号した。
  2. B超音波検査で脂肪肝と示されていること;肝腫脹、閃光肝、血管模糊、出波衰減であること;またCT検査で肝臓密度が全体的に低下していること
  3. 血中の脂質が増加し、総コレステロール>6.47mmol/Lまたは中性脂肪>2.30mmol/Lであること
  4. 肝機能検査でALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPが軽度から中度にかけて上昇していること
  5. 中医によって肝機能低下、高度の肥満、血流悪化が論証され、脇腹の腫れと痛み、重いけん怠感、腹部の腫れ、口の苦味、台薄或いは微弐、脈弦或いは弦数等。

1.3 治療方法

治療組の脂質低下合成剤は炒白樹30g、伏令15g、決明子30g、焦山査30g、狗紀子15g、荷葉15g、紅花6g、紫丹参30g、生大黄9g、ウコン9gで組成していて、毎日一服、水で煎じて飲む。対照組は多稀康こう丸を毎日3回、3粒ずつ経口服用した。各組とも6週間を一つの治療周期として薬を服用してもらった。

1.4 観察指標

治療期間中、患者の症状、体調の変化を観察した;治療前と治療後にB超音波、TG、TC、ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPを測定した。脂肪低下或いは脂肪肝をメインに治療する漢方薬や西洋薬は使用を禁じた。

1.5 統計学方法

計量資料はt検験を、率の比較はX2検験を採用した。

2 結果

2.1 治療効果評定基準

≪中薬新薬の臨床研究指導原則≫(医薬国家中管理局)を基に以下の治療効果評定基準を制定した:臨床治癒=病気の症状と体調の根本的消失、B超音波検査の正常回復、肝機能の正常化、血中の脂質(TC、TG)の正常範囲への低下;顕著的効果=2/3以上の症状及び体調の明らかな回復、B超音波検査の好転がⅠ度以上(例:中度から軽度への回復など)、血中の脂質及び肝機能改善が50%以上の者;有効=症状及び体調が好転し、B超音波が音像図の好転を示し、血中の脂質及び肝機能の改善など指標の数値上で改善があった者;効果なし=上述の基準に達しなかった者。

2.2 治療結果

2.2.1 二組の患者の総合治療効果は表1参照。

2.2.2 二組の患者の治療前、治療後の肝機能の結果比較は表2参照。

2.2.3 二組の患者の治療前、治療後の血中の脂質測定の結果比較はは表3参照。

表1 治療後の総合治療効果比較例(略)
表2 治療前後の肝機能の測定結果比較 (略)
表3 二組の患者の治療前、治療後の血中の脂質測定の結果比較。(略)

脂肪肝の治療過程中、わずかだが1例に軽度の下痢が見られたが、治療中断をしなかったところ、数日後には自然と回復した。治療過程において、血像や肝腎機能に良くない影響は見られなかった。

3 討論

肝臓病学における脂肪肝の診断基準を基に、全ての患者は以下の診断基準に符号した。

0

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【送料無料】肝宝垂盆草/270粒入/販売公式ショップ
価格:16,200円(税込、送料無料) (2023/11/15時点)


Leave a Comment


Spam Protection by WP-SpamFree