
田七人参
田七人参は、中国では古来より「肝臓や心臓の守り神」として、王侯貴族の間で薬善料理等で食されていたウコギ科の植物です。三七人参、三七、田七等とも呼ばれ、古くから「金不換」(金では買えないもの)といわれるほど、数多い生薬の中でも最高級の秘薬とされてきました。現在でも田七人参が生薬として多く用いられており、薬善料理のスパイスとして日常的に食されています。
田七人参は専ら止血薬として用いられてきましたが、薬用人参との共通成分が単離されてから研究も進み、鎮痛・鎮静作用、肝障害抑制作用、血流増大作用などが報告されています。近年、肝障害抑制作用が注目され、二日酔や肝障害の予防に飲まれています。
日本では栽培されておらず、気候及び土壌等の条件を満たす事からその殆どが中国の雲南省(およそ85%)で栽培されています。海抜2000mの山岳地帯で栽培される田七人参は3~7年間、恵まれた土壌から天然のミネラルを吸収して育ちます。栽培には非常に手間暇がかかります。7年間かけて栽培されていることから「7年根」とも呼ばれており、栄養成分も豊富で商品価値も高くなります。
生理痛や生理不順などの漢方治療薬には、田七人参が80%配合されています。また、肝炎や肝硬変など、肝臓の病気の特効薬として知られる漢方薬「片仔黄」にも、田七人参が同じく80%配合されています。
田七人参は、高麗人参と同じウコギ科の植物で主成分はサポニンですが、田七人参は高麗人参の3~4倍のサポニンを含み「人参の王様」と呼ばれています。また、中国最古の薬物書である「神農本草経」では効果は確かで、副作用が全くないという上薬に位置しています。そのため昔から不思議な効力を持つ薬草として珍重されてきました。
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