現代中国の垂盆草の脂肪肝臨床研究
垂盆草の脂肪肝臨床応用資料 3
「健脾疏肝法」による脂肪肝治療
- 医薬衛生報
[摘要]
1997年7月より2000年5月まで「健脾疏肝法」を脂肪肝42例に運用したところ、比較的良い治療効果が得られた。観察した患者は全員で82例おり、ランダムに治療組42例、対照組40例に分けた。82例の患者全員には超音波で肝臓に脂肪蓄積が示され、81例には程度が違う高脂血症があり、23例にはGPT値の上昇が見られた。
脂肪肝の診断は現段階では特別な生物化学的指標はなく、理論上、肝生検が最も直接で正確な診断方法であるが、臨床上、病人にとっては受け入れがたいものである。学者によっては最近の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎では肝生検に頼ることは少なく、中度以上の脂肪肝でも、超音波診断では正確性は90%に達し、繊維化していない肝臓なら、超音波診断では正確性が100%に達することができる。このため、我々は超音波検査で肝臓内の光点分布や密集状況、エコーレベルを主な診断根拠とし、同時に患者のGPTと中性脂肪の値を観察した。
[治療方法]
- 治療グループの処方薬組成「健脾疏肝法」:垂盆草30g、党参12g、白術9g、伏令9g、意義仁15g、沢写9g、柴胡6g、黄連6g、丹参9g、白及30g、決明子30g等。毎日一回、朝晩2回に分けて経口してもらった。
- 対照グループは「多稀康丸」1.8g、ビタミンC 0.3gを毎日3回;「吉非羅斉丸」0.6gを毎日2回経口してもらった。
- 二グループとも60日を一治療周期とし、連続して二周期、120日間の観察を行った。
- 治療期間中は低脂肪食をとり、禁酒をし、ALT(GPT)が高い者にはよく休息をとってもらった。
[治療効果基準]
- 臨床治癒=超音波検査での肝臓形態の正常回復、GPTの正常化、血中の脂質の正常範囲への低下
- 著効=超音波検査で肝臓の光点や密集が明らかに好転していること;エコーレベルが明らかに軽減していること;GPTが正常化していること;血中の脂質の低下
- 有効=超音波検査で肝臓の脂肪が軽度に改善していること;血中の脂質の低下
- 無効=有効基準に満たなかった者
[治療結果]
治療グループ42例の内、臨床治癒は10例、著効は22例、有効は6例、無効は4例、総有効率は90.5%であった。対照グループは40例の内、臨床治癒は4例、著効は14例、有効は8例、無効は1例、総有効率は65%であった。
統計学処理上、二グループには非常に顕著な差異が見られた。脂肪肝は一般的に良性の病気と言われており、予後は良好である。しかし、現在、脂肪肝は直接或いは炎症の経過後に、肝臓の繊維化にまで発展すると言われており、約25%の脂肪性肝炎が最終的に肝臓の繊維化にまで発展している。
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